新坂(しんざか)
区内にある新坂 と呼ばれる六つの坂の一つ。『御府内備考』に、「映世神社々領を南西に通ずる一路あり、其窮る所、坂あり、谷に下る、新坂といふ」とある。名前は新坂だが、江戸時代にひらかれた古い坂である。
このあたりは、もと森川町と呼ばれ、金田一京助の世話で、石川啄木 が一時移り住んだ蓋平館(がいへいかん)別荘(現太栄館)をはじめ、高等下宿が多く、二葉亭四迷、尾崎紅葉、徳田秋声など、文人が多く住んだ。この坂は、文人の逍遙の道でもあったと思われる。
-郷土愛をはぐくむ文化財-
東京都文京区教育委員会
昭和63年3月